大変だった出産後、これから楽しい赤ちゃんとの生活が始まると思いきや、
「赤ちゃんが夜寝てくれない」
「寝たと思ったら直ぐに泣き出してしまう」
と産後の痛み&疲れも取れないまま、寝不足とストレスでフラフラになっている方も多いのではないでしょうか。
現在2児子育て中の私も、長男が寝ない&泣き続ける赤ちゃんで、初めて&ワンオペ育児に睡眠不足も加わり、当時はうつ病一歩手前まで追い詰められました。
そんな私が赤ちゃんの寝かしつけ本、快眠本を読み漁り、試行錯誤しながら、無事に夜赤ちゃんが寝るようになるまでに、効果があった対策10点をご紹介したいと思います。
対策の大まかな流れは、以下の4点です。
夜間快眠に向けた取組みの大まかな流れ
- 赤ちゃんに必要な睡眠時間を把握しスケジュールを作り、規則正しく守ることで、夜間長時間睡眠の基礎を作る
- 夜泣きの原因を排除する(環境(体勢・視界・音)と空腹への対策)
- 早朝起きの原因を排除する
- 体内の睡眠サイクルを促す取り組みをする
- どうしても眠ってくれない時は、グッズや一時的に使える方法を試す
1 月齢別の赤ちゃんの睡眠リズム&活動限界時間を細かく把握する
まず、赤ちゃんの睡眠トラブルには、「長時間に及ぶ寝かしつけ」、「頻繁な夜泣き」、「早朝起き」など様々なものがあり、その原因は月齢によって大きく異なります。
生後1ヶ月と生後6ヶ月では、睡眠のリズムや疲れ過ぎずに起きていられる時間(活動限界時間)がまず異なるためです。
まずは赤ちゃんの月齢別の睡眠リズム、活動限界時間をパパやママが理解し、現在の赤ちゃんに適した睡眠時間と、起きていられる時間をしっかり理解しておくことが必要です。
睡眠リズムと活動時間については、書籍や提唱者によって多少異なりますが、月齢に伴い、
ポイント
・一日の睡眠時間が減る
・日中の睡眠の回数が減る
・活動限界時間(疲れずに起きていられる時間)が伸びる
こと、また、それを赤ちゃん自身でなく、ママやパパがコントロールしなければならないということを把握していればO Kです。
因みに、月齢ごとの睡眠時間、活動時間の偏移の例として、赤ちゃんの寝かしつけ実用書の中でもAmazonで最も評価数の多い、愛波文著『ママと赤ちゃんのぐっすり本「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』(講談社, 2018年)では下記のように紹介されています。
※出典・参考:愛波文『ママと赤ちゃんのぐっすり本「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』(講談社, 2018年)より
まずは赤ちゃんの適切な睡眠時間とリズムを、パパやママが把握することから始めましょう。
2 月齢ごとの睡眠時間・活動時間を参考に、起きる時間、寝る時間、授乳時間など一日のスケジュールを作り、規則正しく過ごす
具体的な赤ちゃんの一日のスケジュールを作成します。
生まれたばかりの赤ちゃんはまだ生活、睡眠リズムが昼夜のあるサイクルになっておらず、決まった時間に眠ったり、夜に長時間寝ていることはできません。
生後6ヶ月位になると、サイクルができてきますが、それでも不安定です。
その為、上述した月齢別の睡眠・活動時間などを参考に、パパやママが赤ちゃんに適した一日の生活・睡眠スケジュールを作り、規則正しく過ごさせてあげることが、夜の長時間睡眠に最も必要なことといえます。
赤ちゃんの月齢、個性による違いも大きい為、一概には言えませんが、私が書籍などを参考に実施したのは下記の点です。
夜間睡眠のためのスケジュール要点
- 赤ちゃんは朝7時には必ず起こす
- 朝寝は昼寝に差し支えないよう、9時〜10時まで、最長1時間
- 午後のお昼寝は、11時半〜14時半までの間に、2時間〜2時間半しっかり寝かせて、夕方体力不足にならないようにする
- 夕寝は15〜60分、17時までには起こす(体力が付いてきたと思ったら夕寝を無くす)
- 17時半頃には夜のねんねに向けた準備を始め、18時〜18時半にねんね前の最後の授乳(ミルク)を始めて、19時就寝
- 夜の最後の授乳(ミルク)は22時〜23時にたっぷりあげる
ここが大切なポイント!日中は赤ちゃんを適度に寝かせて、疲れさせすぎない
スケジュールを作り、赤ちゃんにあったサイクルを探していく上で最も注意しなければならない点が、
日中の睡眠時間が短ければ、赤ちゃんも眠たくなって、夜間の寝かしつけが簡単になるんでは?
と誤解し、お昼寝時間を短くしたり、低月齢にも関わらず夕寝を無くしてしまうことです。
これは全くの逆効果です。
実は赤ちゃんは眠るのにも体力が必要で、疲れすぎると逆に眠れなくなってしまいます。
もし、日中十分に眠れず夕方に体力が無くなって疲れ果てていると、赤ちゃんは寝たいのに眠れず、ずっと不機嫌で泣き通し、夜の寝かしつけも困難になります。
月齢ごとに活動限界時間を目安にしながら日中も睡眠をとり、夕寝が必要な時期はしっかりと夕寝させて、赤ちゃんに眠る体力を温存してあげましょう。
3 できるだけ寝付く前と寝ている間の環境が同じになるようにし、夜泣きを防ぐ
赤ちゃんは大人よりも睡眠が浅く、また睡眠の周期(レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り))も大人より短く、夜中目が覚めてしまうことも頻繁に起こります。
その際通常であればまた直ぐに眠りに落ちることができるのですが、それが何らかの原因で妨げられると夜泣きに繋がります。
その眠りを妨げる原因の一つが、赤ちゃんが眠りに落ちる時に見えていた環境と、ふと目を開けて見た環境が違っているということです。
例えば、寝る前は、
夜泣きに繋がる環境変化
- 抱っこされていたのに、平らな所に寝かされている
- 部屋が明るかったのに、暗くなっている
- ママ(パパ)が隣に居たのに居なくなっている
- オルゴールが流れていたのに、無音になっている
この様な変化があると、「別の場所に来てしまった!?」とびっくりして覚醒し、不安になって泣き出してしまうのです。
これを防ぐ為にも、出来るだけ寝かしつけを行う際、完全に眠る前に、赤ちゃんが予め眠る場所(ベットや布団)に置いて、眠らせることが必要になります。
赤ちゃんのセルフねんねの力を育てよう
添い乳や添い寝、抱っこでの寝かしつけは確かに便利ですが、起きた時にママ(パパ)がいないことで夜泣きに繋がり、赤ちゃんにとってもママ、パパにとっても結局は最良な睡眠の妨げになります。
最初は大変ですが、抱っこや添い乳等で完全に眠らせてしまわず、ある程度眠そうな状態になったら、ベッドや布団の上に寝かせて、少し離れて赤ちゃんが自分で眠るまで待ちましょう。
もし泣いてしまって、数分しても泣き止まない場合は、抱っこなどで落ち着かせてまたベッドの上に置いて少し離れ、また眠るのを待つ、というのを赤ちゃんが寝るまで繰り返します。
完全に眠らなかったとしても、10分程度じっとしているようであれば、そっと部屋を出ましょう。
これは、赤ちゃんがママやパパの寝かしつけに依存せず、ゆくゆくは自分の力だけで眠れるようになる(セルフねんね)力を育てる重要な工程でもあります。
ママやパパにとっても根気と忍耐のいる大変な作業ですが、これを乗り越えれば、寝かしつけも楽になり、また夜泣きの原因も減らすことに繋がりますので、踏ん張りましょう。
4 夜間の授乳(ミルク)は22時半頃に1回、沢山飲ませる
夜泣きの大きな原因の一つに、赤ちゃんの空腹があります。
寝る前の18時半頃の授乳(ミルク)だけで朝まで持ち堪えられる赤ちゃんもいますが、多くは朝までに持たず、1回は授乳(ミルク)が必要になります。
深夜に起きるのはママ、パパにとっても辛いので、赤ちゃんが眠っていたとしても、22時半頃に起こして(できれば夢うつつのままに)、与えるようにしましょう。
この時のポイントは、朝まで空腹を感じない量を赤ちゃんに飲んでもらうことです。
しかし、授乳の場合、量を飲みきる前に赤ちゃんがまた深い眠りに入ってしまうことが多くあります。
その場合は、ミルクや搾乳しておいた母乳を哺乳瓶に入れて飲ませることが有効です。
母乳育児をしていて赤ちゃんが夜中に何度も起きてしまう場合は、最後の22時〜23時頃の授乳をミルクに変えて十分な量を与えてみましょう。
5 ホワイトノイズをかける
寝ている間そこまで音を気にしない赤ちゃんもいますが、音に敏感な赤ちゃんも多くいます。
パパのいびきで起きてしまったり、ドアの開け閉めで起きてしまったり、特に無音状態で物音が立つと、それが原因で起きてしまい、夜泣きに繋がることも少なくありません。
そんな赤ちゃんにおすすめなのは、テレビの砂嵐、雨音、波音のような「ホワイトノイズ」と呼ばれる音を寝かしつけ開始から起きる直前まで流しておくことです。
なぜホワイトノイズが良いの?
ホワイトノイズの「ザー」や「ゴー」、「シー」という音は、赤ちゃんがお腹の中でずっと聞いていたママの血流の音にも似ている為、赤ちゃんが安心すると言われているからです。
また、寝かしつけ時から流しておくことで、それが「ねんねルーティン」として、赤ちゃんがもうそろそろお休みの時間なんだ、と感じるサインとしても利用できるでしょう。
6 夜間の授乳(ミルク)は手元灯で
夜間赤ちゃんに授乳する(ミルクをあげる)際には、赤ちゃんをできるだけ起こさないように、部屋の明かりを点けるのではなく、手元灯などを使い最低限の明かりの下で行うようにしましょう。
部屋を明るくしてしまうと赤ちゃんの睡眠ホルモンが体内で急激に減少し、赤ちゃんが中途半端な時間に覚醒してしまう可能性もあります。
7 部屋の温度は20度〜25度、湿度は40〜60%。大人がひんやりと感じる位の温度に保つ(手足が冷たくなく、頭の下や背中に汗をかかない温度)
赤ちゃんは大人よりも体温が高く、基本的に暑がりです。
赤ちゃんが快適に眠れる室温は大人には少し肌寒く感じる22度程度とされています。
特に冬場は赤ちゃんが寒そうだと思って、室温を上げすぎたり、服を着させすぎたりしてないでしょうか。
服の下が冷え切っている場合は寒すぎますが、赤ちゃんが暑さで寝苦しくて起きてしまっていないか、こまめに頭の下や背中の湿り気を確認し、汗をかいているようであれば、エアコンの温度を下げたり、薄着にするなどの対策をしましょう。
8 寝る時部屋は起こす時まで真っ暗にする
朝の早起きの原因の一つが日光です。
部屋がぼんやり明るくなった、カーテンから光が漏れているなど、大人にとっては些細なことが、赤ちゃんには大きな刺激となって、早朝起きの原因となっている場合があります。
赤ちゃんの早起きで困っている場合は、遮光カーテンなどを上手く使って、起こす直前まで寝た時とさほど変わらない暗さを保てるよう工夫しましょう。
9 朝起きた後は少しの間でも日光を浴びせ、日中は可能なら外出する。夕方から夜にかけては部屋の照明を暗めに
赤ちゃんの一日の生活リズムを作る上で重要なのが、日中、特に朝、日の光を浴びせることです。
眠気などを司る睡眠ホルモン「メラトニン」にはその増減により、体内の覚醒と睡眠を切り替える役目があります。
通常メラトニンは起床後14時間〜16時間で分泌され始め、夜間の自然な眠気を作り出し、朝になると減少し覚醒を促します。
朝日を浴びることでメラトニンは一気に減少すると言われています。
覚醒を高め、体内時計の切り替えを明確にするためにも、朝日を浴びせることは有効です。
また、肌の触れ合い、スキンシップで増えることで知られる愛情ホルモン「セロトニン」ですが、実はこれがメラトニンの原料になります。
セロトニンは太陽光を浴びることでも増えるので、日中は窓辺でベビーマッサージや触れ合い遊びをしたり、お散歩に出かけたりして、分泌量を増やしておくと夜の寝かしつけも楽になるかもしれません。
また、メラトニンは夕方以降暗いところにいるほど分泌され、逆に明るいままでは十分に分泌されないと言われています。
夕方からは照明を段々と落とし、テレビやスマホの光にも注意しながら、赤ちゃんの体でメラトニン分泌が阻害されないように気を付けましょう。
10 どうしても眠ってくれないそんな時
これまでご紹介した取り組みは基本的に長期的に実践&気を付けていくポイントです。
しかし、連日の長時間に及ぶ寝かしつけ&夜泣きでヘトヘトになり、まずは短期間だけでも赤ちゃんの睡眠トラブルから解放されたい、というパパ、ママも多いと思います。
その場合は今まで述べてきた取組みからは一旦離れ、まずはママ、パパの心身が復調するまで、一時的な寝かしつけの手段を使っても良いと思います。
例えば添い寝。
寝かしつけでママが寝る瞬間まで近くに居た場合、夜起きた時にママが側にいないことで不安になり泣いてしまう赤ちゃんがいます。
添い寝でないと寝れなくなってしまう、ママの眠りが浅くなってしまうなどのデメリットはありますが、赤ちゃんが夜泣き出してなかなか眠ってくれない場合には、ベビーベッドから、添い寝用布団に寝台を変えて、ママが隣で眠る方法も有効です。
安全性やママの睡眠の質なども考えて、完全に一緒のお布団にするのではなく、大人布団の横に子供用の布団を敷くなど寝る場所は分けておくのがおすすめです。
また、おしゃぶりやバウンサー、スリーパーなどのねんねグッズを用いるのも良いと思います。
私は赤ちゃんの快眠対策として、ねんねグッズもかなり色々なものを片っ端から試していました。
試して効果のあったグッズもまとめているので、ご興味があればご覧いただけると嬉しいです。
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明けない夜はない。いつか赤ちゃんは眠ってくれるようになる
以上、私が眠らない赤ちゃんにやってみて、効果があったと感じた取り組みです。
赤ちゃんは日々成長し、体力、脳の働きも日毎に変わっていきます。
それに応じて、今まで効果のあった寝かしつけや、睡眠リズムが合わなくなってくることはよくあることです。
今まで良く眠っていたのに・・・
「最近赤ちゃん朝が早いな」
「夜泣きが始まってしまった」
「急に寝つきが悪くなった」
など感じる時は、今までの生活スケジュール、睡眠サイクル、環境が合わなくなってきている可能性もあるので、定期的に見直されることをお勧めします。
赤ちゃんは本当に個性豊かで、夜長時間眠ってくれるママやパパに優しい赤ちゃんも居れば、眠るのが下手で自分でもどうして良いか分からず必死にママやパパに助けを求める赤ちゃんも居ます。
でも明けない夜がないように、いつか赤ちゃんは夜ちゃんと眠ってくれるようになります。
眠っている間に夜が明けるようになるまで、どの程度かかるかは、ママやパパが赤ちゃんをどの程度サポートできるかにもよりますが、場合によっては半年掛かることもあります。
そこにたどり着く前に倒れてしまわないように、日中は力を抜けるところは抜いて、適宜赤ちゃんと一緒に睡眠をとるようにしましょうね。