子供が生まれたら気になるのが教育費ですよね。
日本では現在大学進学率が5割を超え、年々上昇を続けており、大卒が当たり前の世の中になってきました。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2021生涯賃金など生涯に関する指標」によれば、2019年時点で、退職金を含む男性の生涯賃金は、高卒で約2億5880万円、大卒で約3億3030万円と最終学歴の違いで7000万以上も生涯年収の差が開くとの統計があります。
親としては子供の将来の為にも、できれば大学まで通わせてあげたいですよね。
一方で、
ポイント
生活費はなんとなく予想はできるけど、高校生になったら塾代に月10万円掛かるという話も聞くし、大学で一人暮らしともなれば、一体どれくらい貯金できていれば良いの?
と不安になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、大学卒業までに一体いくら掛かるのか、私立に行った場合、大学でひとり暮らしをした場合、海外留学した場合などを詳しく場合分して計算していきたいと思います。
大学卒業までに掛かる塾代を含めた教育費は平均いくら?
まず、教育費ですが、文部科学省2018年「平成30年度子供の学習費調査」、及び日本政策金融公庫2021年「令和3年度教育費負担の実態調査結果」によると、幼稚園〜大学までに掛かる学校の授業料、塾代などを含めた教育費の総額は、下表の通りです。
幼稚園〜大学までの学習費平均
全て公立に通った場合と、全て私立に通った場合だと、約1500万もの差額が生まれます。
また、理系の大学生は約半数が大学院に進学しますので、この場合は更に240〜400万円追加で必要となります。
子供が大学で一人暮らしをする場合は、4年間で約422万円の費用が必要
日本学生支援機構2020年「令和2年度学生生活調査」によれば、大学で一人暮らしをする割合は国公立大学で5割〜6割、私立大学で3割弱となっています。
大学で一人暮らしをした場合、日本政策金融公庫2021年「令和3年度教育費負担の実態調査結果」によれば、4年間で平均422万円追加で必要となることを覚悟しておくべきでしょう。
一人暮らしの子供にいくら仕送りしてる?引越し費用はどのくらい?
自宅外通学を始める為の家財購入などの費用 → 38.7万円
自宅外通学者への仕送り額 → 年間95.8万円 × 4年間 = 383.2万円
合計 421.9万円
一番お金がかかるのは大学!子供が大学進学するまでに一人1000万円の貯蓄を目指そう!
現在、幼稚園〜高校までは義務教育&高校無償化で、学校での授業料は基本無料です。
そのため、国公立であれば塾代を考えても、多くとも月平均で5万円程度の出費となり、貯蓄からの切り崩し出なく、その都度やりくりしながら支払うことも可能でしょう。
しかし、大学となると、授業料も格段に増え、一人暮らしとなった場合は、生活費の仕送りだけで一人月8万円の出費となり、授業料納付時期ともなればとても収入からだけでは賄えなくなります。
子供が遠方の大学や私立大学進学となったり、大学院への進学を希望した際に慌てない為にも、余裕を持って教育費一人1000万を目標に貯蓄しておきたいですね。
子供に奨学金制度を利用してもらうという選択は?
奨学金とは、進学に必要なお金を、学生自身が卒業後に返済することを条件に貸与を受ける制度です。
中には成績優秀者などに向けて給付されるものがありますが、条件が厳しく、また採用人数が少ない為、殆どの学生が利用するのは、有利子、無利子はあれど基本的に返さなければならないローンです。
大学生が最も利用している奨学金は「独立行政法人日本学生支援機構(J A S S O)」が運営する制度で、同法人の2020年「令和2年度学生生活調査結果」によれば、大学生の約半数が奨学金の制度を利用しています。
ポイント
J A S S Oの奨学金制度には第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)があります。
第一種奨学金は自宅or自宅外通学、私立or公立などにより多少借りらるれる限度額が左右されますが、月2万円〜6万円強の借り入れが可能です。
卒業後に返済開始がスタートしますが、無利子の為、借りた金額を上回る返済をする必要はありません。
しかし、第一種奨学金を借りる為には、親の所得制限と高校での一定の成績という2つの条件をクリアする必要があります。
第二種奨学金は有利子のローン
一方、第二種奨学金は有利子の貸与です。
貸与額は月2万円〜12万円(大学院では〜15万円)となっています。
利率は固定式(貸与終了時に決定した利率が返済完了まで適用される)と、見直し式(市場金利の変動に合わせて5年ごとに見直し)の2つから学生が選ぶことになります。
年利は2022年時点では固定式が年利約0.4〜0.5%、見直し式が0.008〜0.02%です。
有利子である第二種奨学金には、第一種のような制限はありません。
また、第一種と第二種を併用することも可能です。
卒業後は否応なくローンの返済が始まる
奨学金の返済期間は最長20年間である為、どんなに額が大きくとも20年間で返済を完了させる必要があります。
労働者福祉中央協議会2019年「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」によれば、
・奨学金の平均総借入総額は324.3万円
・毎月の平均返済額は16,880円
・返済完了までにかかる平均期間は14.7年
でした。
疑問
毎月約1万7000円位なら全然余裕じゃないか?
と思われる方もおられるかもしれませんが、奨学金返済に苦しんでいる人間も実際は多くいます。
例えば、大学を卒業した場合の初給料の手取りは17万弱です。
一方家賃、食費、交際費などを含めた一人暮らしに必要な生活費は月14〜16万円。
手取りから生活費を除くと1〜2万程度しか手元に残りません。
ここから奨学金を支払う必要があるので、もし同僚の結婚式や同期との親睦旅行などの急な出費が発生すれば、奨学金を支払う余裕は直ぐになくなってしまいます。
また、結婚し家族が増え、養育費の支払いがスタートした後も、出産や夫の転勤で止む無く無職となった後でも、容赦無く奨学金の支払いは続きます。
家の経済状況によっては仕方ありませんが、自分の子供が奨学金返済で苦労しないように、できれば借りないで済むようにしてあげたいですよね。
もし子供が海外に進学したいと言ったら?高校、大学それぞれ一体いくら位かかる?
経済停滞、平均賃金低迷、人口減少など、日本を取り巻く環境から、将来は日本でなく経済・賃金も伸び代がある海外で働きたい、という若者が増えていますよね。
コロナの為にここ数年は減少していましたが、近年増加傾向にある海外への進学について、もし子供が希望した場合、いくら必要なのでしょうか?
国や私・公立、ホームステイを利用するかどうかなどで金額が大きく異なる為、一概には言えないのですが、
・高校留学の場合、学費と生活費を合わせて、3年間で500〜1000万円
・大学留学の場合は4年間で1500〜3000万円
程度必要になります。
教育費の貯金には早めに取り組もう
家の経済的事情により希望進学先を諦めるということは、子供にとっても辛いことです。
私事ですが、私はバスが2時間に1本しか通らないような中国地方の超田舎に暮らしていました。
高校では「できるだけ偏差値の高い大学に行かなければ今の時代就職できない」と散々周りの先生方に叱咤激励されていたこともあり、必死に勉強して、進学は関西の大学を希望していました。
しかし家の経済的事情もあり、結局自宅から通学できる範囲(往復4時間)の国公立大学に進学することになりました。
それでも家の状況を考えると高校出たら働けと言われても仕方ない状況だったので、親には感謝しかありません(祖父には大学進学を猛反対されていました・・・)。
私の場合は進学先で友達も多くでき、就職活動も大学二年生から必死で始めて、無事に就職もできたので、その大学を選んで良かったと心から思っています。
しかし、例えばその大学で本当は学びたかったものが学べなかった、また将来の選択肢が減ってしまった、と子供が後悔した場合、後々遺恨を残す可能性もあります。
老後資金の準備も頭が痛い問題ですが、可愛い我が子の為にも、節約・貯金には早めに取り組んでいきたいですね。
老後に必要な資金についてもまとめているので、是非そちらもご確認ください。
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