念願叶ってやっと妊娠。あと1年も待たずに赤ちゃんとの楽しい生活が訪れると期待する反面、
悩みポイント
「もし生まれてきた赤ちゃんに大きな病気や障害があったら・・・」
「悪阻がない(重い)けどこれってもしかして赤ちゃんに何か大きな病気があるんじゃ・・・」
と不安に駆られることも。
ストレスや睡眠不足が赤ちゃんに良くないと分かっていながらも、夜中遅くまで考え込んでしまったり、ネット検索の手が止まらなかったり・・・。
嬉しいはずの妊娠ライフも不安が大きく存分に楽しめなくなってしまいます。
特に母親の年齢によって、赤ちゃんの障害や疾患の可能性が高くなると言われると、輪をかけて心配になりますよね。
例えば染色体疾患の中で最も多いダウン症は、20歳では発症率が1/1177であるものの、30歳では1/700、35歳では1/297、40歳では1/86と、母親の年齢によってリスクが上がっていきます。
どれも決して低い確率とは言えないですよね。
そんな私と同じような不安を抱え過ぎる方にお勧めしたいのが「出生前診断」、その中でも特に「O S C A R(オスカー)検査」です。
今回は出生前診断やオスカー検査の概要と、2022年5月に「ゆたかマタニティ超音波クリニック」でオスカー検査を行った時の実体験をお伝えしたいと思います。
出生前診断とは?
生まれてくる赤ちゃんに先天的な病気や異常がないか、母親の血液検査や超音波検査などを用いて調べるものです。
妊娠初期の早い段階で検査を受けることができますが、病気や障害の全てが分かるわけではなく、また基本的に保険適用外のため全額自費負担になります。
出生前診断には「非確定検査」と「確定検査」があり、「非確定検査」は病気や異常のリスクがどの程度あるか調べるもので、「確定検査」はそのリスクが本当に「陽性」なのか確定的な判断を行うために行う検査になります。
検査ごとの特徴
・「非確定検査」は母体への採血やエコーによって行われるため、安全性が高いですが、リスクが高いか低いかしか分からないため、100%確実な結果が分かるわけではありません。
・「確定検査」は陽性か陰性か確実な結果が分かりますが、母体の羊水や絨毛を採取する必要があるため、感染症や流産の危険性があります。
基本的にはまずは「非確定検査」を行い、そこで病気や染色体異常の可能性が高いと判断されたら「確定検査」を受けるという流れになります。
非確定検査で分かる内容
先にも述べましたが、出生前診断で全ての病気、障害が分かるわけではありません。
主に染色体(トリソミー)に異常があるかないかを検査しますが、リスクを判定できるのは、
判定可能項目
・ダウン症候群(21トリソミー)
・エドワーズ症候群(18トリソミー)
・パトウ症候群(13トリソミー)
のみで、3つを合計しても胎児の染色体疾患の約7割に過ぎず、あとの3割については判定することはできません。
染色体のどこかに異常があるため起こっていることは分かっても、実際にどの部分にどのような変異が起きているためなのか、まだまだ特定できない病気が多いのが実情です。
一方で、この3つの疾患以外の染色体異常の場合、出生まで赤ちゃんが生存していられる可能性が極端に低いとも言われており、この検査を受けた上で流産の確立がぐっと下がってくる12週までを乗り切ることができたら、染色体異常についてはある程度安心しても良いかもしれません。
それでも、赤ちゃんの病気の中で染色体異常が原因の疾患はたったの20%前後です。
軽いものから重いものまで病気は様々ですが、染色体だけでは分からない重篤な心臓・肺などの疾患もあります。
出生前診断の他に妊娠中期頃に一度は胎児ドック(胎児精密検査)も受けておくと尚良いかもしれません。
障害や疾患を事前に知ることができれば、産院をN I C U(新生児集中治療室)のある総合病院に変えたり、書籍などで勉強しておくことで生まれた後の備えを行うこともできます。
非確定検査の種類
非確定検査にも主に4つの種類があり、検出できる項目はあまり変わりませんが、その精度と費用が異なります。主には下表のようになります。
(クリニック毎の検査項目やトリソミーによって検出精度が異なることもあるため、多少精度に差異があります)
何故オスカー検査を選んだのか
オスカー検査は上表にもある通り、妊娠11〜13週の間に行える検査で、母体への超音波エコー検査(首の後ろのむくみN Tの計測値)に、母体年齢、既往歴、採血(PAPPA, freebhCG)を組み合わせて、ダウン症、13・18トリソミーの確率をみる非確定検査になります。
一人目の妊娠の時、出生前診断を受けることを決めて調べ始めて、
決定打
- 費用や精度が納得できる範疇だったこと
- 染色体の異常によらない形態異常も分かること
で、オスカー検査に決めました。
ただ大変だったのは、実施している病院が少なかったことです。
当時は中国地方に住んでおり、自県にはその当時はまだオスカー検査を実施している病院がなかったため、ネットで探して評判の良かった大阪の「ゆたかマタニティー超音波クリニック」を受診することに決めました。
2人目の時、検査に適した11〜13週は丁度中国地方に戻っており、その時には同県に新しくオスカー検査が可能な病院が開院していたので、そこにお世話になりました。
そして、3人目妊娠の今回は関西に住んでいるため、また1人目の時と同じ「ゆたかマタニティー超音波クリニック」にお世話になりました。
同じオスカー検査でも病院によって診察のスタイル、費用、問診やフィードバックの仕方が異なります。
費用も高額ですので、事前にしっかり電話で確認したり、口コミを調べて行くと良いかもしれません。
ゆたかマタニティ超音波クリニックのホームページは以下になります。
ゆたかマタニティ超音波クリニックへの予約
予約は電話予約になります。
オスカー検査は受けられる期間が妊娠11〜13週の間と決まっているため、予約時は「現在妊娠何週何日か」聞かれます。
答えると検査の候補日や時間を提示してもらえるので、都合の良い日時で予約を取ります。
超音波エコーを行う部屋へは、夫や子供なども一緒に同席できるので、家族で予め都合の良い曜日などを確認しておくと良いかもしれません。
また、月・水曜日は休診ですが、土日祝日も診療があります。
検査当日は、説明時間も含めると所要時間は約1時間です。
注意ポイント
検査はお腹の上からエコーを当てる形になるので、当日はお腹を出しやすい服装でいきましょう
当日検査の流れ
クリニックは脇道の少し奥まったところにあり、内装は綺麗なのですが小さめの病院なので、事前に Googleマップなどで場所や外観を確認しておくと良いかもしれません。
受付を済ませると、まずはスタッフの方から検査の内容や診断できること、精度などについて、10分〜15分丁寧に説明があります。
質問があればしっかりしておきましょう。
説明を受けて納得したら、検査の申込書とアンケートを書いて渡します。
診察室に案内されると、二人がけの電動リクライニングソファーが置いてあり、夫婦でそこに座ります。
先生から簡単に検査についての説明があります。
検査の時は部屋を暗くして、リクライニングソファーを倒し、夫婦で天井に映るエコー映像を見る形になります。
お腹の上からエコーを当てていきます。
検査項目は、首の後ろのむくみ(N T)、鼻骨の高さ、臍の緒の血流、心臓の三尖弁血流、心拍数、頭からお尻までの大きさ、指の動き、足の形、頭や顔の形、胸水、覆水などなど、説明と共に丁寧に見ていただけ、質問も無いか時々聞いてくださいます。
精度は8割だそうなのですが、ベビーナブの角度で性別判定もしていただけました。
口コミを見ると、先生の性別診断はかなり当たるそうです。
検査の後は4Dで赤ちゃんの姿を見せてくれます。
はっきりと顔が分かったりするわけではありませんが、立体的になる分可愛く見えます。写真もいただきました。
そして、エコー計測結果を基に先生がダウン症、13・18トリソミーの確率を計算し、初期精密検査(胎児ドック)報告書という形で結果をいただきます。
年齢だけでの確率であれば数百分の1だったのが、検査の結果数千、数万分の1になると安心感が違います。
エコー検査の後は採血です。
血液検査は日数がかかるので、約2日後にまずは電話での結果のご連絡をいただき、その後郵送で検査のレポートが届きます(因みに結果を送ってもらう郵送用の封筒の宛名を当日受付で書きます)。
最後に妊娠16〜18週に5500円で受けられる再診の案内(現時点では診断できない小脳や口唇口蓋裂、心疾患などの確認ができる、5〜10分程度の診察)もいただきました。
診断の結果
私の場合、今回のオスカー検査の結果は下記になりました。
・ダウン症:1/8982
・18トリソミー:1/19127
・13トリソミー:1/20000
オスカー検査にかかる費用
全額自己負担のため気になる費用ですが、下記のようになりました。
オスカー検査費
初期精密検査(胎児ドック):27500円
確率計算:5500円
オスカー検査(ドックに血液検査を追加):27500円
合計 60,500円(税込)
オスカー検査のデメリット
これまでご紹介してきたオスカー検査ですが、デメリットもご紹介しておきたいと思います。
オスカー検査デメリット
- 出生前診断全てに言えることであるが、染色体の異常についての診断で、全ての病気や障害が分かる訳では無い
- 非確定検査全てに言えることであるが、確率診断であるため、確定的な結果が分かる訳では無い
- オスカー検査を実施している病院が少ない
- 検査できる期間が妊娠11〜13週と限られている
- 保険適用外のため、検査費用が高い
赤ちゃんのことを詳しく知る1つの手段としての出生前診断
いかがでしたでしょうか。
出生前診断については、人によって様々な意見があると思いますが、私個人としては、「結果がもし厳しいものであったら、その時にまた色々調べ勉強し考える」として、まずは妊娠中のストレス軽減&睡眠不足解消の為の一つの手段として、そこまで悩まず受けてもいいのではないかと考えています。
また、妊娠初期は妊婦検診も一瞬で、赤ちゃんの様子も見えづらいですし、性別ももちろん分かりませんが、初期精密検査(胎児ドック)では赤ちゃんの様子もしっかり確認でき、場合によっては性別も分かります。
ご興味のある方は是非お近くのオスカー検査、胎児ドック等を扱っている診療所を探して、相談してみてくださいね。