ガイナックス元社長でオタキングとも言われている岡田斗司夫氏をご存知でしょうか?
私は子供の頃に「B Sマンガ夜話」を見ていて、「オタクの中のオタクなすごいおじさん」という印象があったのですが、現在では登録者数84万人を超えるユーチューバーとしても活動されておられます。
オタクの印象が強い岡田氏ですが、幼少期に学校で受けた知能検査では知能指数が148を超えており、幼稚園2年目で既に漢字が読めるほどの天才児であったとか。
先日たまたま仕事で使える交渉術について調べていた際、同氏が提唱する「人間の4タイプ判定(分類)」について知りました。
この4タイプ分類、「社会生物本能の4タイプ」と名付けられているのですが、この分類の目的は、自分のことを理解するためではなく、「対象となる相手を理解し、上手く付き合う手法を見出す」ために用いられます。
例えば、職場の中で、
あの人なんか付き合いにくいなぁ、何考えてるのかわからないなぁ
こんなに真摯に謝ってるのになんで許してもらえないんだろう
と感じた経験はありませんか?
それは相手に対する理解ができておらず、正しいアプローチが分からないために起きている可能性があります。
この4タイプ分類を活用すれば、現状を変える対策が見つかるかもしれません。
因みに動画で見た方が分かりやすいと思われる方は、下記をご参照ください。
岡田氏のユーモア溢れる巧みな話術も参考になります。
また、4タイプ分類の本「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人」も出版されていて、 Amazonでは400を超えるレビュー数に関わらず、星5つ評価中「4.4」。
kindle unlimited読み放題に含まれているので、もし会員の方は是非読まれて見てください。
4分類それぞれのタイプ概要
では、早速4分類のタイプについて、見ていきましょう。
4タイプ欲求と著名人
タイプ・・・本能的欲求(タイプに分類される著名人)
注目型・・・人から注目されたい、認められたい(明石家さんま、岡田斗司夫)
司令型・・・人より優位に立ちたい、勝負に勝ちたい(中田敦彦、Daigo、ホリエモン)
法則型・・・物事の仕組みや法則を理解したい、より自由に生きたい(ひろゆき、池上彰)
理想型・・・自分の理想に近づきたい(宮崎駿、手塚治虫)
図で示すとこのようになります。
あなたは何タイプになると思いますか?
実はこの4タイプ分類の話題に対する第一印象によって、簡単に分類されます。
4タイプの話題への第一印象
- 「人間をたったの4つのタイプに分けられる筈がない」と思った方 → 理想型
- 「使えそうだったら覚えて早速使ってみよう」と思った方 → 司令型
- 「なんか怪しい、何かに誘導しようとしてるんじゃないか?」と思った方 → 法則型
- 「自分はどれかなぁ」と早くもウキウキしだした方 → 注目型
細かい判定テストも以下にあるのですが、前述した通り、この4タイプ分類の目的は自分の内面理解ではなく、相手を理解するために用いられるものなので、大まかに自分のタイプが分かれば、テストまでやることにさほどの意味はないかもしれません。
また、選択肢を選ぶ際にはどうしてもバイアス(自分がこうでありたいという理想や建前)がかかってしまうので、上記テストの判定結果が必ずしも合っているとは思わないようにしましょう。
一番確からしいのは、近親者からの評価かもしれません。
面白いのが、この4タイプは大体人数に偏りなく、集団の4分の1ずつを形成する、という点です。
実際に岡田氏が大学の講義に際して学生数千人に対し分類判定テストを受けてもらったところ、毎度大体4分の1ずつに分かれたのだそうです。
各タイプの基本的な性格&重視すること
続いて、各タイプの基本的な性格及び何を重視しているのかを見ていきましょう。
上が性格、その下が何を重視しているかになります。
どうでしょうか、なんとなく「あの人はこれだな」「自分はこれだな」という分類ができるでしょうか。
性質は併せ持っていることも多いので、なんとなく、という位置付けができればまずは大丈夫です。
各タイプごとの相性とは?
この4タイプですが、それぞれ他のタイプに対し基本的な相性が存在します。
それは下図のように矢印によって示すことができます。
図から見る基本的な相性
- 隣り合うタイプの思考や欲求は少しずつ併せ持っているため理解できる
- 右回りのタイプに対しては好意・憧れを抱きやすい
- 左回りのタイプに対しては苦手意識・軽蔑を抱きやすい
- 対角線上にあるタイプは思考が違いすぎて理解不能、全く共感できない
それぞれ上手く優劣があるのが面白いですよね。
このタイプ分類を当てはめてみると、職場の人間や友人の中でも、この優劣関係の為に基本的なソリが合わない、ギクシャクしてしまうという事象も見えてくるかもしれません。
タイプ別仲良くなりたい時に効果的な手法
この4タイプは人間関係、社会における本質的な欲求がそれぞれ異なるため、好感、好意を得るために用いなければならない手段も当然異なってきます。
本質的欲求をベースに、基本的には下記のようなことが有効とされています。
好意を得るための手段
- 注目型・・・兎に角好意を見せる、おだてる、褒める、機嫌を取る
- 司令型・・・贈り物をする、貸しを作る、付き合うことで得られる利益を作る
- 法則型・・・好奇心・理論的思考を刺激するような話題を提供する、知恵を発揮できるような具体的な相談を持ちかける、実験性のある取組みに誘う
- 理想型・・・同じ価値観や考え方、好みを持っているように振る舞う、相手のこだわりを見極めて褒める
自分だったらどれが一番嬉しく感じるでしょうか?
「ちょっと理解できないなぁ」と思う項目はありますか?
その場合、あなたはそのタイプの対角線上にあるタイプに当たる可能性があります。
タイプ別説得・頼み事をする時に効果的な手法
それでは続いて、説得・頼み事をする時に、どうすれば受け入れられやすいか、タイプ毎の手法を見ていきましょう。
覚えておいて、仕事で上司や同僚を説得する際、営業で売り込みをしたい時などに活用していきましょう。
注目型を説得するには?
説得や頼み事の際重要なのは、注目型にとってあなたが「良好な関係を壊したくない、悲しませたくない相手」となること。そのためにまずは、「あなたと話すのが楽しみ」というムードを醸して、迷惑にならない程度に通う、話しかけるなどして、関係を築く取り組みを始めること。
負担に感じない程度のお土産や面白い噂話なども効果的。
良好な関係性が生まれたと感じたら、注目型タイプの人間はその関係性を壊さないように気を遣い始める為、そうすると説得や頼み事もしやすくなる。
また、周りの人間をがっかりさせてしまうことも嫌う為、まずは周囲の人間を巻き込んで楽しい雰囲気を作り出して、断りにくくさせる環境を作り出すことも有効。
司令型を説得するには?
説得や頼み事の際に重要なのは、司令型にとって「明確な利益がある」と思わせること。また、その利益もきちんとした理由、勝負事、駆け引きに基づいたものであると尚良し。
上司や貸しのある相手からの要求にも弱いため、上から説得をしていく、普段から「貸し」を作っておくことも効果的。
法則型を説得するには?
説得や頼み事の際に重要なのは、して欲しいことの「目的や理由、手段、期待できる効果などをできるだけ具体的に明確に伝える」こと。
内容や理由、手段などをはっきりさせて、理屈に適っていると感じさせることができれば、積極的に動いてくれる。
理想型を説得するには?
説得や頼み事の際に重要なのは、まず「こだわりや思考、好み」をしっかり把握しておいて、それを取り入れながら話や提案を進めること。
また、理想型タイプのこだわりや好みを把握しておき、普段から配慮するような仕草や行為をして好感度を上げていれば、それだけでお願い事も聞き入られやすくなる。
普段から同僚や上司、取引先のタイプを見極めて、それに応じた付き合い方の工夫をしておきたいですね。
タイプ別やる気を出させたい時に効果的な手法
それでは、同僚や部下、友人、家族などに対し、自分の提案や企画、計画に対しやる気を持って欲しい、積極的に参加して欲しいという時には、どうすれば良いのでしょうか。
やる気を出させる方法
- 注目型・・・楽しげなこと、華やかなことを前面に持ってきてアピールする
- 司令型・・・利益を明確にする、勝負を感じさせるようなゴールや目標を前面に持ってきてアピールする
- 法則型・・・実現性、具体性を明確にし、新しい工夫や実験的試みを前面に持ってきてアピールする
- 理想型・・・事前に好みやこだわり、希望をしっかり聞いておいて、それを少しでも取り入れたもの、配慮したと分かるものを前面に持ってきてアピールする
ちょっとした家族への提案を行う際などにも早速取り入れていきたいですね。
全タイプが読む企画書などの書面に取り入れたい工夫
それでは、一対一の対面ではなく、職場などで大多数に共有される企画書などの書面については、どんな配慮が可能でしょうか。
様々なタイプがいることを予測し、大まかに下記の事項を取り入れていると良いそうです。
企画書に取り入れたい事項
- 注目型・・・みんなに喜ばれたり、感謝されそうな内容を含める
- 司令型・・・他者との比較の上、明確なメリットや利益を明示する
- 法則型・・・具体性、実現性が高いと感じられるようにする。新しい試みや実験性のある内容が取り入れられていると尚良し
- 理想型・・・社会的意義や目的を取り入れる
そこまで難しい内容ではないので、頑張れば全て入れ込むことができそうですね。
タイプ別謝罪する時に許してもらいやすくなる効果的な手法
最後に、相手を怒らせてしまった時はどうすれば許してもらう確率が高くなるでしょうか。
謝る時に効果的な手法
- 注目型・・・とにかく泣いて謝る
- 司令型・・・謝罪の品を持って丁重に謝る
- 法則型・・・なぜダメだったのか、理由や再発防止策を説明して真摯に謝る
- 理想型・・・なぜ相手を怒らせてしまったのか把握した上で、相手への配慮や理解が足りなかったことを謝る
タイプ毎にここまで差が出るのが面白いですよね。
一度覚えれば様々な場面で使える4タイプ分類
いかがだったでしょうか。
付き合いの長い友人や、同僚、恋人、夫婦、親子でも、なかなか相手のことが理解できずに、怒らせてしまったり、ガッカリさせてしまったり、想像とは違う反応が返ってきてギクシャクしてしまったりということがありますよね。
通常であれば、それを「自分が悪かったかなぁ」と思い悩んだり、「分かってくれない相手のせいだ」と怒ってしまったりしますが、ただ「タイプが違う」ことで起こるすれ違いに過ぎないのかもしれません。
今回ご紹介したタイプ分類を周囲の人や苦手な人、交渉相手を当て嵌めてそれに応じた対策をすることで、人間関係がもっとスムーズに進むかもしれませんよ。
先に紹介した岡田氏の動画の中で、この4タイプ分類を活用した視聴者のエピソードとして印象に残ったものがあるので、ご紹介したいと思います。
法則型タイプのAさんのお話
いつも喧嘩が多く、そして謝ってもなかなか許してもらえない母親に対し、息子でありながら苦手意識を感じていたAさん。
この4タイプ分類を当て嵌めてみて、母親が「司令型」、Aさん自身が「法則型」であることが分かりました。
これまで母親を怒らせてしまった時は、「なぜそんなことをしてしまったのか、これからはしない為に再発防止策はどんなことを考えているか」を細かく説明し謝っていました。
それが法則型にとっては一番誠実で真摯な謝罪方法だからです。
しかし、それは司令型の母親にとっては意味がなく、逆に怒らせてしまうことだと、4タイプ分類を知って初めて理解することができました。
そして、自分からしたら絶対受け入れられない謝り方だな、と思いながらも、母親に贈り物を持って謝罪したところ、なぜか感激して泣かれ「つまらないことで怒ってごめん」と逆に謝られました。
そしてAさんも何故か涙が出てきて、一緒に泣いてしまったそうです。
とても興味深いエピソードですよね。
どうしても理解できない人間というのは一定数いて、皆から好かれることも、また皆を好きになることも難しいということを、暗に教えてくれるのも4タイプ分類の魅力です。
もっと細かく知りたいと興味が出てきた方は、是非書籍や動画、また岡田氏公式ブログを読んでみてください。
岡田斗司夫氏公式Youtubeチャンネル
岡田斗司夫氏公式ブログ